2006年07月01日

研究者はエンジニアたるべきか?

 私は理工学部の出身ですが,学科は電気工学科(旧称)で,理学部と工学部に分かれている大学に行っていれば工学部に属するべき学科の出身です.
 私は昔から何か自分でものを作る,ということに興味がありました.ただ,あまり手先が器用じゃない,というか,根気がないというか,作業の進め方に多少ムラがある方なので,工作などの類はあまり得意な方ではありませんでした.しかし,小学校の高学年あたりに初めてPCを触って概念が変わりました.ソフトウェアの開発は,基本的に幾らでもやり直しが効くため,様々なことが試しやすかったからです.それから一貫して20年近くの間コンピュータを使って何らかの開発をずっと行ってきました.
 工学,というのはものを作るための学問の総称と言うことで,学科を選んだ当事はあまり深く考えてませんでしたが,電気工学科を選択したことは間違ってなかったと今は思っています.
 最近疑問に思うことは,研究室に配属されてくる学生を含めて,みな「自分でものを作る」という意欲があるかどうかということです.意欲はあるのかもしれませんが,自分では作れないと考えている人が多いのではないかと思います.大学で作るのはあきらめて,会社に就職してから作ってやろうと考えている人も多いのではないでしょうか.確かに一人(もしくはごく少人数)で作れるもの,というのは規模に限界があります.しかし,一生のうちで,一人でものを作る機会などは他にとうていありません(ベンチャー立ち上げる人とかを除けば).周囲に指導教授,先輩方がいて,意見や指導を貰いながらも自分の好きなことができる,というのは恐らくかなり幸せな状況なのだと思います.(プロジェクトとして進行している研究もあり,必ずしも本当に自分がやりたい研究とは言えない人も中にはいると思いますが…)まあ,そのような点を差し引いたとしても,自分の手で何かを作る,ということにもっと貪欲になっていただきたいと思います.皆さん若いんですから.
 一方で,大学で行うのは基礎研究であり,開発ではないのだから,熟考や調査などを重ねて真理を明らかにすることを志すべきだ,というのは真っ当な意見です.私自身,決して物事の真理を探究することを忘れているわけではありませんが,特に私たちが対象としている音声対話やロボットなどの分野は,関連する分野も多く,基礎的な議論よりもまず応用,というような偏りがあるのも事実です.このような点に留意して研究を進めていく必要はあると感じています.
 説教っぽい文になってしまいましたが,タイトルの質問は特に誰かに向けたものではなく,日頃から疑問に思っていることです.最近,プログラムの実装ばかりやってるものですから….ツールばかり作ってたら開発になってしまうかもしれませんけど,他の人が作れない(思いつかないアイディアの入った)ツールやプログラムの一つや二つ作れずに研究をするっていうのもそれはそれでどうなんだろうという気はします.

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  • fujie
  • 2006年07月01日 17:03
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